志摩・代々木高等学校卒業式 モデルの加藤ゆうみさんが代表あいさつ
志摩・代々木高等学校卒業式 モデルの加藤ゆうみさんが代表あいさつ
広域通信制高校の「代々木高等学校」(志摩市磯部町)の卒業式が3月11日、志摩夏草本校の体育館で行われた。(伊勢志摩経済新聞) 【写真】【その他の画像】代々木高等学校卒業式の様子 同校は、伊勢志摩国立公園の豊かな自然やスポーツに適した環境を生かした教育の実現を目指して2005(平成17)年4月、国の構造改革特区制度を活用し株式会社立の高校として開校。2021年から学校法人に経営形態を変え、廃校となっていた旧志摩市立成基小学校の校舎に移転した。不登校生や高校中退者の受け入れのほか、働きながら学ぶ「奨学金コース」や「伊勢志摩料理人コース」「漁師コース」などを設置する。プロゴルファーを目指す「アスリートゴルフコース」には、全米女子オープンを制覇した笹生優花さんや男子アマチュアの世界ランキング1位に輝き、昨年プロに転向した中島啓太さんらを輩出する。 本年度の同校の全卒業生は301人で志摩夏草本校の卒業生は32人。卒業生は、真珠養殖について学んだ3年生の総合学習の授業で作った真珠のペンダントを胸に着けて臨んだ。 清水宝文校長から卒業証書を受け取ると、卒業生たちは「やっと卒業できました」「3年間、ありがとうございました」などと言葉にした。一色真司理事長は「多様性を認め合うこと。違った意見や考え方が共存し合うことの大切さを知ると同時に、人との違いに自信を持ってほしい。そのために自分を高める努力をしてほしい」。清水校長は「今日まで育ててくれた親に感謝し、当たり前と思わず、有り難いと思い、その『有り難い』が積み重なってやっと今日、卒業できる。感謝することを忘れずに」とエールを送る。 モデルで女優、タレントとして活躍し、英語、マレー語が話せる加藤ゆうみさんが卒業生を代表してあいさつした。加藤さんは「中学2年の時いじめにあい不登校になった。引きこもりになり学校に行くのが怖い、人生が終わったと思ったが、家族の支えがあり、立ち直ることができた。14歳の時に半年間、ダイビングショップで働きながら1人で生活した。21歳の時にミスユニバース三重大会にエントリーし、日本代表として世界大会に出場できた。世界大会では結果を残すことができず悔しい思いをしたのと同時に、出場者の中で自分だけが中卒だったということがとてもショックだった。東京での仕事も増えたが24歳でコロナが始まり仕事が激減し、三重県に戻ってきた。家族や大切な人が支えてくれたおかげで、今生きている。今後の自分の人生を考えもう一度学生生活をやり直したいと思い、代々木高等学校に入学した」と話す。 「代々木高等学校では『フィッシュ缶プロジェクト』に参加し全国大会に出場できたことがとても良い思い出になった。13年ぶりの学校だった代々木高等学校での時間はとても新鮮で、10代の時を思い出し、初心に戻ることの大切さを知った。本当に感謝。今年は映画に出演することを目指している。マレーシアと日本をエンタメでつないでいきたい」とも。